島津製作所ー乳房専用PET装置「エルマンモ」の後継機を発売
痛みのない乳がん検査を
島津製作所(社長=上田輝久氏、京都市中京区)は、検査にともなう負担が少なく、高精度に乳がん検査を支援する乳房専用PET装置「エルマンモ・アヴァン・クラス」を発売した。
同製品は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の成果をもとに2014年に製品化した「エルマンモ」の後継機。被検者は装置の上でうつ伏せになり、検出器ホールに片側ずつ乳房を入れるだけで検査が受けられるので、マンモグラフィ検査のような乳房の圧迫による痛みがない検査を実現している。
エルマンモ・アヴァン・クラスでの検査は片胸5分~7分、ポジショニングを含めて15分前後で両胸の検査が完了する。顔を乗せる部分のくぼみを深くしたので、被検者がうつ伏せの姿勢を取りやすくなり、首への負担が少ない楽な姿勢で検査を受けることができる。
従来機よりも検出器を上部に配置するとともに、検出器ホール周辺形状の見直しや薄型クッションを採用したことで、寝台上面と検出器間の距離を18㍉㍍短縮した。検出器ホールに胸を入れやすくしたことで、胸壁部分のブラインドエリアを縮小した。
これまで独立していたデータ収集用コンピューターとデータ処理コンピューターを統合し、省スペースな1コンソール化を実現した。また、ユーザー・インターフェースを刷新して操作性を向上したほか、ネットワーク・セキュリティの強化も図った。
エルマンモ・アヴァン・クラスの価格は3億5000万円(税別、システム構成により異なる)。