業界団体

3つの重要施策を推進【J I R A】

「記者会見」で2023年度活動方針を発表

山本会長

日本画像医療システム工業会(会長=山本章雄氏、JIRA)は「2023国際医用画像総合展」の開催に合わせて、4月14日㈮午前11時30分から、総合展会場のパシフィコ横浜内で「記者会見」を開催した。会見では山本会長が2023年度JIRA活動方針を発表した。

記者会見で山本会長は3つの重要施策として、①技術の進展や医療現場のニーズを踏まえた将来の医療現場への貢献②会員企業の開発意欲を促進する環境整備③環境変化に伴う共通課題に対する会員企業への支援――を列挙し、各活動内容を説明した。

①の技術の進展や医療現場のニーズを踏まえた将来の医療現場への貢献では、一例として「AIの承認上の性能と臨床現場での市販後性能の維持や向上の仕組み、AIを用いた診断支援技術の適応領域の拡大のため関係団体と協議し、提言するなど、検診分野でAIをどう活用していくのかなど、AI技術と社会実装との間の橋渡しとして貢献していく」とした。

②の会員企業の開発意欲を促進する環境整備では、診療報酬改定に向け「SaMD(プログラム医療機器)に関する要望として、医師の働き方改革への寄与を含めた診療報酬上での評価や、評価療養などでの早期導入、SaMD以外ではC2(新機能・新技術)申請の予見性確保や、長期臨床使用の見直しなどを提言していく」と述べた。

医療機器規制への対応については「SaMDに関連して、承認審査の迅速化として2段階審査制度や、責任者の常駐規制や資格要件の見直し、広告規制など、数多くの取り組みがあるが、今年はリバランス制度・2段階承認の制度設計に向け提案を行っていく」と語った。

サイバーセキュリティ対応にふれては「4月に医療機器の基本要件が改正され、医療機器メーカーにはプログラムを用いた医療機器への配慮として、法規制に応じたセキュリティ対策が求められている。これに対応して、会員企業へは法規制のタイムリーな周知や、申請手続きなどの関連情報の発信を行っていく」と説明した。

③の環境変化に伴う共通課題に対する会員企業への支援では、国際展開に関して「MDR(欧州医療機器規則)は欧州理事会などで承認され、MDD(欧州医療機器指令)の延長が決定した。引き続きMDR審査長期化の現状調査と対策の実施、クラスⅠ、Ⅱa、Ⅱbの機器の臨床評価要件簡略化を提言、要望していく」とした。

人材育成にふれては「JIRAでは会員企業の人材育成に貢献するため、昨年7月に『画像医療システム産業入門』を開講したが、この内容を強化・単元の追加などを行った23年度版を4月にスタートさせた。また、より深く専門的な知識を身につける実務者向けプログラムとして『専科セミナー5コース』を7月に開講する」と明かした。

さらに、試行的なサービスとして、医療機器の該当性に関連する会員向けの『相談サービス』を開始する、と発表。「会員企業にはベンチャー企業も増えているほか、会員企業の中には医療機器の該当性についての判断の悩み、行政への相談の敷居の高さの声もあることから、医療機器該当性や機能に応じた検証の考え方などの相談窓口を開設する」と説明した。