企業活動

消化器処置具事業を強化【オリンパス】

韓国メタリックステントメーカー買収

Taewoong  Medical 社製「胆道・膵臓向けステント」

オリンパス(社長=竹内康雄氏、東京都新宿区)は、韓国の消化器用メタリックステントメーカー、Taewoong Medical社を買収することで合意した。Taewoong Medical社はクロージング時の2億5550万㌦のほか、マイルストーン達成時に最大1億1450万㌦の合計3億7000万㌦(約483億円)の現金を受け取る。

Taewoong Medical社は胆道や食道、大腸、十二指腸の治療に用いるメタリックステントなどの様々な消化器処置具を製造販売している。メタリックステントはがんなどの疾患による管腔の閉塞、狭窄を解消するために用いる処置具で、病変の状態や患者の状況に応じて様々な種類のステントが必要とされている。

Taewoong Medical社はステントの重要な性能とされる拡張性と柔軟性の双方を兼ね備えた幅広いラインアップのメタリックステントを提供している。これにより、胆道や食道などの形状に沿った留置をサポートし、屈曲した管腔内でもステントの形状を維持することができ、再狭窄のリスクを軽減する。

オリンパスは2021年12月に発表した医療分野における戦略的方針として「消化器科」を注力する診療領域として位置付けている。Taewoong Medical社の消化器処置具を製品ポートフォリオに加えることで、消化器科領域における包括的なプロバイダーとして、幅広いソリューションを提供し、患者のアウトカム改善や対象疾患での診療水準の向上に貢献していく。

近年の高齢化にともない、消化器用メタリックステントが治療に使用される胆道がんの症例数は増加傾向にある。

【Taewoong Medical社(テウンメディカル)の概要】
▽本社・製造拠点=韓国・金浦市
▽設立=1992年
▽社長兼CEO=キョンミン・シン氏
▽売上=約68億円(2021年12月時点)
▽営業利益=約13億円(同)
▽従業員数=273名
▽海外拠点=80以上の国と地域で販売