業界団体

医療機器の適正使用推進へ【医器販協】

賀詞交歓会に会員ら約550人参集

「2023年新春賀詞交歓会」会場の様子

日本医療機器販売業協会(会長=浅若博敬氏、医器販協)は、1月19日㈭午後4時30分から、東京・丸の内の東京會舘で「2023年新春賀詞交歓会」を開催した。賀詞交歓会は20年1月の開催以来、新型コロナウイルス感染症の影響で開催を見送ってきた。3年ぶりの開催となった今回は新型コロナウイルス感染対策として、食事とアルコール類の提供はなく、ソフトドリンクのみの提供となった。会場には会員ら約550人が参集し、マスクを着用しながら新年の賀詞を交わし合った。

浅若会長

開会にあたり、あいさつした浅若会長はこれまでの医器販協の活動を振り返りながら、2023年度に向けた所感として、▽質の向上への取り組み▽業界からの発信―の2点を披露した。

『質の向上への取り組み』については「われわれが届けた医療機器が適正に使用され、患者の治療が安全に行われることが何よりも重要となる。医療サービスを支えていくという信念を持ち、日頃から質の高い安定供給を目指していきたい」とした。

一時期、医療機器販売業界のきめ細かい対応が非効率ではないかと指摘されていたことを振り返り「理解不足の認識に対しては、公的な検討会など様々な機会を通じて業界が非効率なのではなく、医療制度の多種多様な要請に応えてきた結果である、と発信し理解をいただけるよう努めてきた。こうした取り組みが徐々に浸透し、今日では行政側から医療サービスの提供にあたりエッセンシャルワークとして位置づけられるまでに至っている」と述べた。

コンプライアンスの問題にふれては「コロナ禍が一段落しても、足元の環境は決して明るいものではない。こうした状況にある今だからこそコンプライアンス遵守の姿勢を崩さず活動を続け、企業倫理指針に根差した行動を推進していく必要がある」と呼びかけた。

PPE製品データベースを構築

『業界からの発信』については「国立大学病院機構様とのPPE製品データベース構築の共同事業など着実に成果が上がってきているので、引き続き推進していく。また、医療DXの必要性が取りざたされているが、現場での利用に耐えられるデータの整備など地道に活動をしていきたい」と、常に現場を重視した活動を展開していくことを表明した。

今後、医療機器販売業が安定的に適正使用支援業務を維持・継続していくためには、医療機関と何らかの取り決めが必要になる、との考えを示し「安定供給の確保を担う、その価値を見出す根拠となるスタンダード作りに取り組んでいる。2023年は適正使用支援ガイドラインの作成に向けた取り組みを一段と加速させる」と語り、ガイドライン作りへの協力を求めた。

次いで、来賓を代表して、厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課の中山智紀課長(代読)や、厚労省医政局医薬産業振興・医療情報企画課の信沢正和首席流通指導官、経済産業省商務・サービスグループヘルスケア産業課医療・福祉機器産業室の廣瀬大也室長らが祝辞を述べた。

業界のレベルアップへ人材育成を

ここで、2022年春の叙勲で『旭日双光章』を受章した元副会長の末石藏八氏の功績を浅若会長が紹介し、花束を贈呈して、その栄誉を祝福した。これを受け、末石氏は受章に対する謝辞を述べたあと「われわれ業界はレベルを上げなければならない。特に病院と接する営業マンは知識だけでなく、人間性も高めないと価格交渉にしても弱い立場になってしまう。販売業者は単に医療機器を売っているのでなく、コンサルタントであり、コーディネーターである。誇りと自信を持って仕事をしてほしい」と業界をレベルアップさせるため、人材育成の重要性を訴えた。

このあと、日本医療機器産業連合会の三村孝仁会長が〝乾杯〟の発声を行い、賀詞交歓会は開宴した。会場では全国から参加した会員らが、3年ぶりに対面で新年のあいさつを交わしながら、親睦を深め合った。

ひとときの歓談のあと、小西賢三副会長の〝中締め〟で賀詞交歓会は散会となった。