病気のメカニズム解明に貢献【ニコン】
「超解像度ユニット」来年2月発売
ニコン(社長=馬立稔和氏、東京都港区) の子会社であるニコンソリューションズ(社長=園田晴久氏、東京都品川区)は、細胞や組織を生きたまま、高解像で深部まで観察可能な、超解像ユニット「NSPARC(エヌスパーク)」を2023年2月上旬に発売する。同社が21年に発売した共焦点レーザー顕微鏡システム「AX」「AXR」と組み合わせて使用する。
エヌスパークは従来製品と比較して、3倍以上の深部観察を実現した。脳神経やオルガノイド、臓器チップなどの厚みのある標本の形態解析を高解像、高精度で行うことができる。
受光部に「シングルピクセルフォトンカウンター」と呼ばれる素子を25個配列して感度を1.3倍向上させ、スキャンポイントごとの豊富な情報を基に画像処理を施す。これにより、ノイズが発生しやすい深部であっても、コントラストの高い三次元画像を取得でき、標本の微細な構造を観察できる。
受光部の感度の高いエヌスパークと、高速に画像取得するレゾナントスキャナーを搭載する顕微鏡(AXR)と組み合わせることで、高速スキャン中も標本の詳細な情報をとらえ、高解像な画像が取得できる。
近年、創薬開発や脳科学などの研究分野では、生細胞や生体組織、臓器チップなどを顕微鏡で観察し、その微細構造や瞬時の反応、変化を解析するニーズが高まっている。
これに対し、ニコンは一般的な光学顕微鏡の解像度の限界を超える超解像顕微鏡を2010年に上市。さらに、レーザー光源で標本をスキャンし、鮮明かつ広視野な三次元画像を取得できる共焦点レーザー顕微鏡システム「AX」「AXR」を昨年発売した。