サーキュラーエコノミー講習会【JMIAユースアップの会】
廃棄が出ないビジネスモデル学ぶ
JMIAユースアップの会(代表幹事=新井健介氏)は、日本医療機器協会(理事長=中島孝夫氏)と共催して、11月18日㈮午後6時から、東京・本郷の医科器械会館で『サーキュラーエコノミーの実践』をテーマに「講習会」を開催した。講習会はWeb参加も可能なハイブリッド方式で行い、友好団体の大阪・目指志会からも数名が参加した。
講習会は講師に招へいした安居昭博氏(CircularInitiatives&Partners代表)が、SDGsと企業成長を両立させるサーキュラーエコノミーのビジネスモデルの実例を示し、その有効性について講演した。
安居氏はサーキュラーエコノミーの特徴について「企業や国がビジネスモデルや政策を作り上げる時に、はじめから廃棄が出ない仕組み作りが実践される点が最大の特徴となる」と説明した。
廃棄が出ないビジネスモデルは理想だが、無理があるのではないか、との意見があることにふれては「サーキュラーエコノミーの具体例を挙げると、私が今日、履いているジーンズはオランダの企業が開発した世界初のサーキュラーエコノミー型の『マッド・ジーンズ』です。私はこのジーンズを購入したのではなく、月額制リースで借りている。借りている限り捨てることにメリットがなく、履き潰しても必ず企業に返却する。同企業は履かれなくなったジーンズを回収して、それを繊維に戻し、また新しいジーンズを作り、供給している。まさに廃棄の出ないビジネスモデルとなっている」と紹介した。
サーキュラーエコノミーとリサイクル、アップサイクルとの違いについては「リサイクルとアップサイクルは最後には捨てることが前提となっており、製造されているモノに対して、後から延命処置を図るような対処療法的な側面を持っている。それに対して、サーキュラーエコノミーははじめから廃棄が出ない仕組み作りがなされている予防医療的な視点がある」とその違いを明かした。
その違いについて補足説明しては「サーキュラーエコノミー型のマッド・ジーンズに関していえば、どのようにしたら利用者に渡ったジーンズが絶対に捨てられないで、必ず企業に返却してもらえるか、を考え、月額制やサブスクリプションを導入している。また、返却されたジーンズは繊維に戻されることを考慮し、ジーンズの後ろ側の皮ラベルは最初から付いていない。前開き部分はファスナーではなく、繰り返しの使用に耐えられるボタン式が採用されている」と、サーキュラーエコノミーは設計やデザイン、ビジネスモデルに至るまで、リサイクルとアップサイクルとは大きく異なっていることを解説した。