福祉用具産業の動向を調査【JASPA】
市場規模は1兆5055億円に
日本福祉用具・生活支援用具協会(会長=花岡徹氏、JASPA)は、2020年度福祉用具産業の市場規模は全体で1兆5055億円(前年度比99.1%)と推計する調査結果をまとめた。
福祉用具産業の市場規模は09年度からゆるやかに伸び続けている。20年度の前半は新型コロナウイルス拡大防止対策の影響で市場規模は激減したが、後半は持ち直し、年度全体で前年度比99.1%となった。
品目別に見ると、在宅等介護関連分野(パーソナルケア関連、移動機器、家具・建物等)の20年度の市場規模は、7408億円(前年度比97.8%)となった。
そのうち、00年度の介護保険制度導入前の特需的要因によって拡大した介護保険制度対象品目は、06年度まではゆるやかに成長したが、その後、04年度に示された介護保険制度の運用に関するガイドライン、05年度の介護保険制度福祉用具選定の判断基準および06年度の障害者自立支援法施行などの給付制度により減少した。
10年度からは買い替えや入れ替え需要が進んだほか、貸与福祉用具の修理用部品が増え、17年度までは増加したが、その後は横ばいに転じた。
また、一般製品に近い分野(かつら、義歯、温水洗浄便座、乗用車〈座席シフト〉、ホームエレベーター、眼鏡、補聴器)の20年度市場規模は8592億円(前年度比95.6%)となった。
一方、福祉用具(狭義)と共用品の両分野で二重カウントしている温水洗浄便座や、乗用車(座席シフト)、ホームエレベーター、バス(低床)を加えた福祉用具産業(広義)の20年度市場規模は、全体で4兆2797億円(前年度比99.8%)となった。