技術・製品

「外科手術用内視鏡」開発【オリンパス、ソニー、ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ】

4K、3D、IR観察など機能に対応

外科手術用内視鏡システム「ビセラ・エリート・スリー」

オリンパス(社長兼CEO=竹内康雄氏)とソニー(社長兼CEO=槙公雄氏)および2社の合併会社であるソニー・オリンパスメディカルソリューションズ(社長=田中裕司氏)は、協業して4K、3D、IR、NBI観察などの機能を1つのプラットフォームで対応可能とした外科手術用内視鏡システムを開発した。同製品はオリンパス製の「VISERA ELITE Ⅲ(ビセラ・エリート・スリー)」として、欧州や中東、アフリカ、アジア一部地域、オセアニア、日本で順次発売する。

開発にあたっては、ソニーの有するデジタルイメージング技術と、オリンパスが持つ光学技術や医療機器開発のノウハウなどの知見を活かし、ソニー・オリンパスメディカルソリューションズが製品の基本技術開発を担当した。

医療現場のニーズに合わせて、4K、3D、IR、NBI観察などの機能を1つのプラットフォームで対応可能にしたことで、従来2台のシステムを使用して行っていた手術を1台のシステムで完遂できる。

同製品は一般外科や泌尿器科、婦人科、耳鼻咽喉科など、幅広い診療科で共有できるよう、従来のオリンパス製の硬性鏡、軟性鏡、カメラヘッドとの互換性と、ソフトウェアアップグレードによるオプション機能追加に対応する拡張性も備えている。

従来の4K内視鏡では、被写界深度の低下によるフォーカス調整回数の増加が課題となっていたが、同製品はより広い領域にピントが合う機能や、ソニー独自のコア技術であるスコープの動きに合わせてフォーカスを自動調整する技術を、同製品に搭載した。これにより、フォーカス調整の回数が低減し、近景から遠景までより鮮明な画像取得が可能となる。