「第Ⅱ期みらプロ」スタート【医機連】
医療機器産業の活性化へ、業界と行政の若手を育成
日本医療機器産業連合会(医機連)は、医療機器産業のさらなる発展をめざし、業界と行政の次代を担う40代までの若手が集い、医療機器を取りまく課題を議論できる場を設けるとともに、若手人財の育成を目的に「第Ⅱ期 医療機器のみらいを担う人財育成プロジェクト(みらプロ)」をスタートさせた。第Ⅱ期の第1回目となるワークショップを5月11日㈬午後1時から、品川フロンティアビル会議室(東京都港区)で開催した。
みらプロは、①医療機器産業の活性化と未来を託す人財開発②医療機器産業の未来を見据えた政策提言力の向上③業界、行政、医療関係者との人財ネットワークの構築――を目的に、医機連が昨年度から始めた若手育成事業。
1年間を1期としたプログラムでは、多方向の検討・議論をするためにワークショップを通じ、立場の違う多様な参加者の感じたこと、考えを共有しながら参加者間で議論を進めていく。
1か月おきの頻度で開催するワークショップには、医療機器関連の様々な課題をテーマに毎回、講師を招へいし、講義を聞いたあと、テーマにそってグループごとに議論を行う。
各回の課題を踏まえ、最終回には医療機器産業が置かれている状況を理解した上で、医療機器規制のあり方についての提言を、各グループで発表することになっている。
今回、第Ⅱ期みらプロには行政側から16名、業界側から25名の計41名が参加。行政側からは厚生労働省や経済産業省、医薬品医療機器総合機構(PMDA)で医療機器関連の業務に従事する若手職員が参加。業界側からは各企業で将来、部門長や総括製造販売責任者などの責任者になることが期待される若手社員が参加した。
自由とは規律あってこそ自由になる
第1回目ワークショップであいさつした松本謙一副会長(みらプロ最高顧問)は、第Ⅱ期みらプロのスタートにあたり「産業の振興政策と規制政策を考えた時、私は若い頃に読んだ池田潔氏著『自由と規律』を思い出す。やはり自由とは規律あってこその自由だと思う。医療機器を開発する際にもルールがないと、医療機器の安心安全が保たれなくなる」とし、産業の振興側と規制側が共に勉強するみらプロの意義を説いた。
みらプロでは『人財』の文字を『材』ではなく『財』の字を使用していることに言及しては「ご参加の皆さまは、既にかなりの勉強を積まれてきた方々ですので、医療機器業界にとっての財産であるとの思いから『人材』ではなく『人財』という文字を使用している。今後もみらプロで研鑽を積まれ、明るい未来をつかんでいただきたい」とあいさつした。
このあと、第1回目ワークショップでは、講師に招へいされた医療機器センターの中野壮陛専務理事が「医療機器産業の現状と予想される世界―変わるを学ぶ―」をテーマに講演した。講演で参加者らは世界における今後の日本や、医療機器業界の予測を学んだことを踏まえ、期待されるべき業界の姿について議論を行った。