未病段階の認知症リスクを評価【エム】
脳画像ビッグデータをAI分析し「脳健康測定プログラム」開発
エム(社長=関野勝弘氏、東京都港区)は、米ジョンズホプキンス大学がAI技術を活用して開発したソフトウェアに基づき、日本国内に存在するMRIの脳画像ビッグデータを分析することで、未病段階の認知症リスクを評価する脳健康測定プログラム「MVision brain(エムビジョンブレイン)」を開発した。
開発したエムビジョンブレインは4月から東京ミッドタウンクリニック特別診察室(東京都港区)にて提供(テストラン)を開始する予定のほか、スマートスキャン(社長=濱野斗百礼氏、東京都中央区)がプロデュースするスマート脳ドックでの提供(テストラン)についても同社と協議している。
エムビジョンブレインは認知症や脳梗塞患者の特徴である脳の萎縮と血管性変化を総合的に評価する、これまでにない脳健康測定プログラム。脳ドックなどの頭部MRI検診に追加することで、認知症など脳疾患につながるリスクを早期に評価し、受診者がとるべき脳の健康維持・改善方法を提示する。
国内でこれまで目を向けてこなかった脳ドックMRIの脳画像ビッグデータを約3年かけて分析。それをもとに日本人の各年齢における正常値や異常値の検出を可能にした。製品化にあたっては東京ミッドタウンクリニックとの共同研究により、健常人3万件以上の健診データをもとに解析を行った。
現在、認知症の発症者数は年々増加しており、2025年には65歳以上人口の約5分の1が認知症になると予測される。認知症は発症の10年以上も前から徐々に進行し、元に戻ることは難しく、早期にその予兆を検出し、生活習慣を正すことが重要になっている。