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「がん検診受ける予定ない」が6割【ジョンソン・エンド・ジョンソン】

『医療受診に関する意識調査』で判明

ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカルカンパニー(社長=玉井孝直氏、東京都千代田区)は、全国の20~79歳の男女1万5000人を対象に「健康診断・人間ドック、がん検診等、医療受診に関する意識・実態調査」を実施した。その結果、健康診断・がん検診を控えたいという傾向は昨年の5割台から3割台に改善。しかし、がん検診の受診率は微増するものの約6割が「受ける予定はない」「わからない」と回答した。

調査結果によると、健康診断とがん検診を受診しない理由については「コロナの感染リスク」が減少(健康診断では12・8ポイント低下)した。健康診断では4人に1人が「健康状態に不安はない」や「経済的負担」を挙げ、がん検診では4人に1人が「体の変調を感じない」や「健康状態に不安はない」としている。

健康診断とがん検診ともに受診した人の理由は「これまでも定期的に受けているから」(約4~5割)や「受けると安心できるから」(約4割)が多かった。がん検診に関しては「発見が遅れ手遅れになりたくないから」(約2~3割)が多かった。

また、今回はがん診断・治療を行う全国の医師300人を対象にした調査も実施し「がん検診」や「適切な医療受診」に関する生活者と医師との認識の差も検証した。

それによると、9割以上の医師はコロナの感染拡大が、がんの早期発見・がん治療に影響していると考えている。また、コロナの感染拡大が、がん治療に影響を及ぼすことを不安に思う医師は8割以上に上った。

コロナの不安から検診回避の傾向を懸念する医師は8割以上で、がんが進行した段階で病院に来る患者が増えることを懸念する医師は6割以上を数えた。

そのほか、生活者と医師の認識の差に関する調査で、がん検診の積極的受診に向けて重要なことの質問では、生活者の3割以上が費用負担の軽減を求めているのに対して、医師の5割以上が生活者のコロナに対して正しい知識を得ることを求めている。

健康意識・行動の変化については、コロナの感染拡大により、生活者は「健康意識の向上」(約4割)や「病気の予防意識向上」(約3割)がみられた。医師の5割は「体調不良くらいでは医療機関に来る人が少なくなっていると思う」と回答した。

コロナ禍での疾患リスクと不安の調査では「通院を延期した・控えた」人は2020年の調査よりも減少したが、通院や受診を延期・控えた理由はコロナ感染リスクを挙げる人が最も多かった。

受診した理由は「コロナ感染リスクよりも体調や症状への不安が大きいから」が最も多い。生活者の適切な医療機関の受診のために重要なことは生活者・医師ともに約3割が「かかりつけ医」と認識。また、医師の約4~5割が「コロナの正しい理解」「医療機関の感染リスク低減への対応」「ワクチン接種完了」「治療薬」などのコロナ関連項目が重要と捉えている。