令和4年 年頭のご挨拶【日本医療用縫合糸協会(日縫協)会長・中島 孝夫】
謹んで新春のお慶びを申し上げます。本年も皆様方のご指導、ご協力を賜りたく、何卒宜しくお願い申し上げます。
昨年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催されました。本来2020年に開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、史上初の延期となりました。選出された選手たちは1年後のオリンピックを目指して練習に励むことになりましたが、年が明けてオリンピックが近づいても新型コロナウイルス感染症の勢いは収まりませんでした。本当に開催できるのか、あるいは中止になるのか、多くの心配の声が上がりましたが、当時菅政権の見解は検討中というものでした。これを受けて海外からも参加を辞退する国も出てきましたが、そのような状況の中、オリンピック・パラリンピックを無観客で開催すると発表されました。史上初の無観客のオリンピックの開催です。また、コロナ禍という悪条件にもかかわらず、世界205の国や地域から約1万1000人が参加してくれたことには驚きと感謝の気持ちになりました。あらためて日本という国は世界の国から信頼されているのだと思いました。オリンピックの開催については賛否両論ありましたが、やはり、競技が始まれば、視聴している多くの人に大きな感動を与え、元気にしてくれます。日本は金メダルを27個も獲得しました。その他多くのメダリストを輩出し、開催して良かったという一定の成果を収めたと思います。この成果が今後、東京モデルとして他国の参考になれば良いと思います。
続いてエンゼルスの大谷翔平選手です。ピッチャーと打者の二刀流で、あと一歩のところでベーブルースの記録には届きませんでしたが、その活躍ぶりが多くの人の共感を呼び、評価され11月にはMVPを獲得しました。各球団の垣根、また人種の壁を越えて、日本人選手が選出されたことは大変に栄誉なことであり、歴史的快挙といってもいいと思います。スポーツの世界は素晴らしいです。スポーツの世界では国境を越えて、人種を超えて一つになれることをつくづく感じさせられました。
さて、本年は「壬寅(みずのえとら)」の年、「寅」は「みみずに通じ、春の草木が生じる」という意味があるそうです。「壬寅」は厳しい冬を超えて、芽吹き始め、新しい成長の礎となる、と言われています。
2年間、コロナ禍で耐えてきたことを糧として、新しい成長の礎を築いていける年にしたいものです。本年こそ良い年になることを願って止みません。
当協会は手術用の縫合糸及び縫合針を中心に扱う企業が集まる団体であり、医療においてなくてはならない団体です。
また、昨年の8月には医薬品医療機器等法の一部改正として、添付文書の電子的提供の原則化や製造販売業者・販売業者等の許可業者の法令順守体制の整備等が施行されました。それに伴う有益な情報を、会員企業に周知することが重要であり、小回りの利く対応を継続していきたいと思います。
そして、本年は、診療報酬改定の年であります。昨年は、新型コロナウイルスの影響により「わかりやすい診療報酬改定講習会」はWeb聴講で開催しました。本年はどのように開催するか検討したいと思っておりますが、会場開催の場合は、感染対策を万全にし、商工組合日本医療機器協会と共催で最新情報を含め、内容の充実した講習会にしたいと考えております。
いずれにしましても当協会は、会員企業への情報発信が主な業務となりますが、外部に向けては、関係団体と協力し、医療機器法の早期制定に貢献できるよう努力いたします。
中小医療機器産業にとっては、スピードが命です。医療従事者の皆様や患者様のためにも新製品をいち早く市場に出したいと願う企業の念いを前進させて行こうと思います。
最後に、新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束を願い、皆様のこの1年のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、また、当協会へのご指導とご鞭撻を心より、重ねて、お願い申し上げて、新春の挨拶に代えさせていただきます。