「JASIS2021」開催【JAIMA、JSIA】
最新の科学・分析機器情報を発信
日本分析機器工業会(会長=中本晃氏、JAIMA)と日本科学機器協会(会長=矢澤英人氏、JSIA)は共催して、11月8日㈪~10日㈬の3日間、千葉県の幕張メッセ国際展示場で、最先端科学・分析システム&ソリューション展「JASIS2021」を開催した。展示会はリアルとバーチャルのハイブリッド展示会として行われ、リアル展示会には科学・分析機器企業270社が出展(877小間)。3日間で3490人が来場し、終日にわたり賑わいみせた。バーチャル展示会の「JASIS WebExpo」は来年3月15日まで開催されている。
「未来発見~『測る』が支える未来の社会」テーマに270社が出展
JASIS2021の開会式は8日午前9時40分から、感染対策として展示会場内で実施された。
あいさつした中本会長は、展示テーマ『未来発見~「測る」が支える未来の社会』にふれ「テーマには豊かな暮らしや産業、科学の発展を支え、イノベーションの機会を創造し、未来に向かっていく、という想いが込められている」とし、JASISを通じてビジネスの発展につながることを期待した。
JASIS2021の概要については「リアル展示会は270社・機関の展示と、新技術説明会やトピックスセミナー、講演など約260セッションを開催する。一方、今年で5年目を迎えたJASIS WebExpoは、デザインとユーザーインターフェースを一新し、大幅に発信力を強化。これまでで最多の約100社が出展し、講演は約80タイトルを掲載している」と述べ、来場者にとって実り多い展示会になることを祈念した。
業界一丸で科学技術の発展に貢献へ
次いで、あいさつした矢澤会長は、岸田総理大臣が成長戦略の第一の柱として『科学技術立国の実現』を示したことに言及し「岸田総理は大学の学部や修士博士課程の再編、拡充など科学技術分野の人材育成を促進するほか、世界最高水準の研究大学を形成するため10兆円規模の大学ファンドの設置など、先端科学技術の研究開発に大胆な投資を行い、民間企業の投資を全力で応援する税制を実現していく、と述べられている」とし、岸田内閣の成長戦略に期待を寄せた。
また「科学技術業界は科学技術立国の実現に向けた下支えを使命と考えている。JASIS2021の開催を通じて、業界一丸となって科学技術の発展と科学産業の活性化に貢献していきたい。JASISは最新の理化学機器や分析機器をはじめとする科学技術に関する技術および製品情報の発信拠点であり、あらゆる領域の研究開発や生産技術を支援する展示会です。JASISがご来場の皆さまの業容拡大や技術向上、情報収集の有益な機会となるよう主催者一同、努めていく」と語った。
産業構造の変化に対応し製品開発を
このあと、来賓を代表して、経済産業省の福永哲郎大臣官房審議官は「JASIS2021はリアルとオンラインによるシナジーを活かし、産業基盤となっている優れた日本の分析・科学機器を世界に発信され、飛躍の機会となることを期待している」と述べた。
コロナ禍により、世界の産業構造や社会システムの転換が加速し『カーボンニュートラル』や『デジタルトランスフォーメーション(DX)』が、多くの企業にとって大きなチャレンジとなっていることにふれ「カーボンニュートラルでは新素材や新技術の開発に分析・科学機器の重要性は高まっている。DXでは分析機器業界で複数の分析機器間のデータ形式の統一化の標準化が進められている。経産省ではこのような企業の新たな挑戦を支援していきたい」と語り、分析・科学機器業界のさらなる発展を祈念した。
引き続き、中本会長と矢澤会長、福永審議官、文部科学省の阿蘇隆之大臣官房審議官、日本分析化学会の早下隆士会長、在日米国大使館商務部のダニエル・ルー上席商務官――の6人がテープカットを行い、JASIS2021は開幕した。
会場は連日、多くの来場者が訪れる
開幕したJASIS2021は幕張メッセ国際展示場4~6ホールを使い、出展各社が最新鋭の分析・科学機器および関連製品・技術を紹介した。
隣接会場では出展企業による新製品・新技術を紹介する「新技術説明会」が行われ、連日、多くの来場者が会場を埋めた。また、今回新たな企画として「トピックスセミナー/トピックスステージ」が行われ、現在社会に求められるさまざまな課題解決に関わるトピックスを専門家や有識者が講演した。
なお、JASIS2021は昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症対策として、マスク着用の必須や、会場入口でのサーモグラフィー体温チェックとアルコール消毒液の設置、ソーシャルディスタンスを保ったセミナー会場・待機列などの対策を徹底して行われた。