技術・製品

膝の半月板を修復治療【グンゼ】

半月板再生基材の探索的臨床試験を開始

  半月板再生基材

グンゼ(社長=佐口敏康氏、大阪市北区)は、大阪医科薬科大学病院(病院長=南敏明氏、高槻市大学町)で半月板再生基材を使用した膝半月板治療の探索的臨床試験(治験)を開始した。

半月板再生基材はグンゼの強みである生体内吸収性材料と縫製・加工技術をハイブリッドに構成したもの。これを患者の損傷した半月板形状に合わせてカットして、患者自己の半月板と縫合して固定する。初期には代用半月板として膝のクッションの役目を担いながら、再生基材の中に患者自身の細胞が侵入し、自己組織化していく。

また、再生基材に使われている生体内で分解・吸収される材料は既に医療機器として長期実績のある安全な合成材料から作られており、未知のウイルスなどによる感染などのリスクの軽減が期待できる。

動物を用いた基礎実験では約1年でほぼ元の強さの半月板様組織に修復していることが確認された。

今後は大阪医科薬科大学病院での治験を進めたのち、より多くの患者を対象にした検証的臨床試験を行い、28年度の承認取得をめざす。並行して販売体制を構築し、上市5年後に年間売上高12億円を計画している。