技術・製品

より低侵襲な治療を提供【日本メドトロニック】

「経カテーテル肺動脈弁システム」承認取得

ハーモニー経カテーテル肺動脈弁システム

日本メドトロニック(社長=ロブ・サンドフェルダー氏、東京都港区)は、先天性心疾患の術後に起こる肺動脈弁逆流症の治療に用いられる「ハーモニー経カテーテル肺動脈弁システム」が8月23日に薬事承認された、と発表した。今後、保険診療下で治療を提供できるよう保険適用に向けた手続きを行う。

同製品は主に、乳幼児期に自己の右室流出路から肺動脈組織を温存して外科手術を受けた重度の肺動脈弁逆流症の患者に対して、カテーテルを通じて肺動脈弁を留置する日本初の専用デバイス。

肺動脈にフィットするように設計・デザインされた2つのサイズの生体弁と、それを心臓内に送達するためのデリバリーカテーテルシステムのセットから構成される。

外科的手術のリスクが高く、同製品による治療が最善であると判断された場合、負担の大きな開胸手術の代わりに、カテーテルに格納された生体弁を、太ももまたは首の小さな切開を介して送達し、心臓の内部に直接留置する。

これにより、生涯における開胸手術の回数の減少、入院期間の減少、術後早期の社会復帰などが期待できる。

日本では100人に約1人が先天性心疾患を持って生まれている。近年、小児期の治療成績が向上したことにともない、乳幼児期に外科手術を受けた患者の約90%以上が成人期を迎えるといわれている。2020年時点で約50万人を超え、今後も増加が見込まれている。