硝子職人の技術がニューヨークへ 【鎌田理化学器械製作所】
MoMA デザインストアで「セキエイベル」販売
鎌田理化学器械製作所(社長=佐野則之氏、神奈川県綾瀬市)が開発、製造する石英ガラス製のテーブルハンドベル「Sekiei Bell(セキエイベル)」が、ニューヨーク近代美術館(MoMA)が運営するMoMAデザインストアNY(ニューヨーク)で販売されることになった。
MoMAデザインストアは世界各国のグッドデザインされたアイテムばかりを集めたストア。全てのアイテムはMoMAのキュレーター(学芸員)が厳選。最新の素材や製造方法、デザインなどで秀逸されたアイテムが世界中から集められている。
セキエイベルは神奈川県綾瀬市の『綾瀬ブランド新商品開発事業』への参加企業4社で組織される「あやせものづくり研究会」から誕生した商品。鎌田理化学器械製作所は同研究会のメンバーで、研究会のデザインコンサルティングを担うアッシュコンセプトと共同開発した。
石英ガラスは水晶を原料として生成された透明性の高いガラス。熱膨張率が極めて小さく、耐熱性、耐食性に優れている。
セキエイベルの開発にあたっては、石英ガラスの素材の特性を活かした『音響性能』にこだわり、最適な音色が響くような厚みと形状を完成させた。雑音が少なく澄んでいて、残響音性に優れ、一般的なガラスより長く音が残る。
製作は職人が1本の石英パイプを2000度Cを超える高温の炎で炙り、伸ばし、絞りを加え、切断し、研磨する――といった作業を一つひとつ手作りしている。
鎌田理化学器械製作所の佐野社長は「私たちの技術が認められたことは、職人として誇りに思う。これを契機に〝ものづくりのまちあやせ〟を広くPRし、地域に愛されるブランドに成長していきたいと思う」とコメントしている。