「日医工ビジョン」の実現へ 事業計画決定【日医工】
定時総会で松本理事長らが再選
日本医療機器工業会(理事長=松本謙一氏、日医工)は、8月25日午後3時から、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで「2021年度定時社員総会」を開催した。総会では2021年度事業計画で『日医工ビジョン』の実現に向け、4つのコミッティをプラットフォームに活動展開していくことを決定した。また、任期満了にともなう役員改選が行われ、松本理事長が再選した。
開会にあたり、あいさつした松本理事長は「世界的に新型コロナウイルス感染症の影響により、医療機関では手術や検査を延期してきたが、最近では欧米を中心に手術や検査が再開され、医療機器産業も業績が回復傾向にある。その一方で、中国では昨年、習近平国家主席が全国人民代表大会(全人代)で『中国製造2025』と称して、25年までに医療マーケットを2倍にし、そのうち30%以上をメイドインチャイナにする計画を発表した」と世界的に業績は回復傾向にあるものの課題も山積していることを明かした。
上部団体の日本医療機器産業連合会の会長職を退いたことにふれては「2度目の医機連の会長職を先々月に退任した。また、今後の医機連の会長職に関しては会員20団体のうち、日本画像医療システム工業会(JIRA)と電子情報技術産業協会(JEITA)、日本医療機器テクノロジー協会(MTJAPAN)、日本医療機器工業会の4団体の中から会長を人選することが決定した。医機連はさまざまな課題を抱えているので、皆さまと力を合わせて業界発展に努めていきたい」と述べた。
このあと、松本理事長が議長となり、司会の穴田輝彦事務局長が「総会員数130社中、出席15社、委任状提出5社、書面表決提出69社、計89社」と総会成立を告げ、議事の審議に入った。
議事は▽2020年度事業・決算報告▽定款の一部改正▽役員の報酬に関する規程▽役員改選▽2021年事業計画・予算――など。いずれの議事とも担当役員が報告、説明を行い、全議事とも原案通り承認、可決した。
このうち、定款の一部改正では、役員の選任に関して監事3名のうち1名を外部の専門家から選任できるよう改正したほか、組織内の部会の名称を『コミッティ』に改正した。
役員の改選では新理事候補27名、新監事候補3名が発表され、これを出席会員らが承認し、新役員が決定した。ここで新理事らは別室で第1回理事会を開き、松本理事長の再任のほか、副理事長に石塚悟、増田順、林正晃の3氏の再任、松原一郎理事の副理事長への昇任を決定した。
組織内に4つのコミッティ設置
21年度事業計画では「日医工ビジョン」を実現するため4つの日医工ビジョンコミッティ(①マネジメント②政策・戦略③コンプライアンス④安心・安全)=下記参照=をプラットフォームに、活動を推進していくことを決定した。
また、薬機法改正における「添付文書の電子化」と「バーコード等の表示の義務化」について、期日までの施行に対し団体の責務として周知、教育などの啓発活動を行う。
さらに、会員企業のコンプライアンス遵守を推進するため講演会や研修会、機関誌、ホームページなどを活用し会員企業へのコンプライアンス意識の向上を実現していく。
総会終了後は特別講演会が行われ、竹岡八重子弁護士が『医療機器業とコンプライアンス』、堀尾貴将弁護士が『製造販売業者および製造業者に求められる法令遵守体制』をテーマに、それぞれ講演した。なお、講演会は会員向けに翌日の正午までオンデマンド配信された。
4つのコミッティの事業方針
【マネジメントコミッティ】
他のコミッティと協力、連携し、日医工ビジョンの実現に向けて、日医工における事業活動全体の円滑な運営を推進する。
【政策・戦略コミッティ】
組織内の5委員会(国際政策、法規関連、医療保険、UDI、広報企画)が協力連携して、医療機器の法制度や産業振興における行政への積極的な発言・提言を行う。
また、これまでにない製品の開発、マーケット拡大のための医療機器開発事業化をサポートするほか、日本の医療機器を普及させるための海外展開を促進する。
【コンプライアンスコミッティ】
⑴会員企業のコンプライアンス意識の向上には会員企業のトップの意識を高めることが大切であり、それを実現するために日医工理事の意識を高める施策を実施する。(理事会における研修など)
⑵ 企業倫理研修会の会員企業の参加状況や、会員企業別のインストラクター在籍数、会員企業にコンプライアンスの取り組みに関する実態調査(アンケート)――などのデータを利活用し会員企業のコンプライアンス意識を向上させる。
【安心・安全コミッティ】
組織内の7委員会(PMS、販売・保守、EMC・安全、人工呼吸器、手術用メス、麻酔機器、ISO/TC121国内委員会)が連携し、医療従事者向けに適正使用セミナーと会員企業向けに最新情報セミナーなど情報提供を継続する。また、海外とも連携し医療現場の安全と安心につながる啓発と改善をめざす。
日本医療機器工業会 2021・2022年度役員
●理事長
松本 謙一(サクラグローバルホールディング)
●副理事長
石塚 悟(サクラファインテックジャパン)
増田 順(セントラルユニ)
林 正晃(第一医科)
松原 一郎(アトムメディカル)
●専務理事
穴田 輝彦(日本医療機器工業会)=新任
●理事
青木 眞(泉工医科工業)
浅野 薫(シスメックス)
伊垣 敬二(京都医療設計)
植竹 強(ケイセイエンジニアリング)
植竹 茂(ケイセイ医科工業)
久保 裕司(ジョンソン・エンド・ジョンソン)
久保 美隆(パラマウントベッド)=新任
髙橋 治(PHC)
武井 和之(武井医科光器製作所)
田代 光正(アムコ)=新任
田中 常雄(大陽日酸)=新任
根本 裕司(ミズホ)
芳賀 聡(日本不整脈デバイス工業会)=新任
平尾 泰朗(永島医科器械)
福田 修一(フクダ電子)
藤原 武志(ビー・ブラウンエースクラップ)
丸野 正(浜松ホトニクス)
村中 亮太(村中医療器)=新任
矢野 守(海外医療機器技術協力会)
山﨑 和明(山田医療照明)
横山 秀樹(アイ・エム・アイ)
●監事
糸永 薫(ユフ精器)
高村 清(東京医科電機製作所)
眞弓 崇(ヤヨイ)=新任