胃がん内視鏡治療の訓練に【KOTOBUKI Medical】
EDS トレーニングシステム開発
KOTOBUKI Medical(社長=高山成一郎氏、埼玉県八潮市)は、国立がん研究センター東病院と共同で、胃の内視鏡的粘膜下層剥離術(EDS)トレーニングシステム「G―Master」を開発した。今秋の発売を予定している。
開発したG―Masterは挿入口、食道を再現したチューブ、噴門・胃底を再現したヘラ、胃壁を再現した粘膜固定部で構成。診察台の上に左側臥位になった患者の状態を再現した。
胃がん発生部位を柔軟に再現できるほか、送気時の胃壁の張り、脱気時の胃壁の緩み、稜線も再現する。
G―Masterに同社製の手術トレーニング用模擬臓器「VTT」の粘膜モデルをセットし、VTT専用の膨隆液を用いて、マーキング、局注、切開、剥離までの一連の流れを臨床に近い形でトレーニングできる。
胃壁を必要な箇所だけ部分的に再現することで、外部から内視鏡の動きがよく見える。胃壁を再現するVTT粘膜モデルは植物由来なので、動物臓器のように衛生面の問題がなく、トレーニング後も一般廃棄ができる。
共同開発した国立がん研究センター東病院消化管内視鏡科の矢野友規科長は「胃の形態は複雑な形をしており、患者のがんの部位によってEDSのアプローチの仕方や治療戦略が異なる。さまざまな部位を再現できることがG―Masterの大きな特徴で強みである。動物の摘出臓器を使うわけではないので、感染や環境汚染の心配がなく、実際の内視鏡治療室でトレーニングできるので先生方にとってもメリットが大きい」と述べている。