『2021国際医用画像総合展』【JRC、J I R A】
2年ぶりにオンサイトで製品展示
日本ラジオロジー協会(代表理事=金澤右氏、JRC)の主催で、日本画像医療システム工業会(会長=山本章雄氏、JIRA)が運営する「2021国際医用画像総合展」(ITEM2021)は、4月16日㈮~18日㈰の3日間を会期に、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催された。出展各社が最新鋭の医療画像機器や周辺機器を一堂に公開した。昨年のITEMは新型コロナウイルス感染症の影響でオンラインでの開催となったが、今年は現地とオンライン(5月12日~6月3日)の2本立て開催となった。
ITEMは1988年以来、日本医学放射線学会総会と日本放射線技術学会総会学術大会、日本医学物理学会学術大会の3学会と同時に開催している。
ITEMの開会式であいさつしたJRCの金澤代表理事は「今回は出展社数137社、展示面積7544平方㍍の規模での開催となった。新型コロナウイルス感染症が蔓延する状況下であり、従来の展示より規模を若干縮小せざるを得ないが、会場での開催にこぎ着けられた」と述べ、ITEMを運営するJIRAをはじめとした関係各位に感謝の意を表明した。
また「DX(デジタルトランスフォーメーション)が政府主導で図られるわが国で、ITEMは現状の指標ともなる大事な催し物である。また、わが国の近い将来を示す得がたい機会であると同時に国際的な流れを知ることができ、参加者には得るものが非常に多いと確信している」と語った。
5月12日から開催されるITEM2021―WEB展示にふれては「各社のWEB展示に加え、『ニューノーマル時代の新たな価値提供』をメインテーマに掲げた特設サイトもあるとのことなので、とても楽しみにしている」と期待をよせた。
次いで、JIRAの山本会長は「前回のJRC2020はオンラインのみの開催となったが、今回はJRCの4団体で協議を重ね、『笑顔』や『心のぬくもり』、『あたたかみ』のあるオンサイトをぜひやりたい、というのがわれわれの思いだった。それと昨年にオンライン展示を行ったことで、その利便性のよさもわかったことから、今回はオンサイトとオンラインの2本立てでの開催とした」と述べた。
コロナ禍での開催にあたり「オンサイトではいろいろとご不便をおかけすると思うが、実展示でしか見られないものもあるので、ぜひイノベーションを感じていただきたい」とし、ITEMが成功裏に終わることを祈念した。
このあと、金澤代表理事と第80回日本医学放射線学会総会の富山憲幸会長、第77回日本放射線技術学会総会学術大会の西出裕子大会長、第121回日本医学物理学会学術大会の兼松伸幸大会長、山本会長――の5人が会場入口前でテープカットを行い、ITEM2021が開幕した。
今回のITEMは新型コロナウイルス感染症への対策として、従来の会場受付の仕組みを変更し、招待カード持参者には事前のオンライン登録をお願いした。その結果、会場の受付登録所には例年のような行列はできず、三密をさけることができた。
さらに、来場の際にはマスク着用がもちろんのこと、会場入口でサーモグラフィーによる検温と、アルコール消毒液による手指消毒のお願いをしたほか、入退場管理システムを導入し、最大収容者数を超えた場合に入場制限を実施した。
ここ数年のITEMの出展傾向は、人工知能(AI)を活用した画像診断装置技術の出展が増加し注目されている。今回も医療現場で検査効率を向上させるため、膨大な医療画像データをAIに学習させ、医師の診断をサポートするAI技術を搭載した、さまざまな製品やシステムが紹介された。
今回、AI関連の出展としては、15社37件のAI搭載製品や技術が公開された。そのうち、キヤノンメディカルシステムズの「CT」や「超電導磁石式全身用MR装置」、シーメンスヘルスケアの「画像解析ソフトウェア」、丸紅の「汎用画像診断装置ワークステーション用プログラム」、NOBORIの「医用画像診断ソフトウェア」、フィリップス・ジャパンの「MRI」、富士フイルムメディカルの「画像診断ワークステーション」――などが来場者の関心を集めた。