技術・製品

テトラゲル技術で「止血材」開発へ【ジェリクル、メディコスヒラタ】

2025年の実用化めざし共同研究

東大発バイオベンチャーのジェリクル(社長=増井公祐氏、東京都文京区)は、東京大学工学部の酒井崇匡教授が開発したテトラゲル技術を用いて、感染のリスクがなく、現状止めることができないあらゆる止血を可能にする「止血材」をメディコスヒラタ(社長=平田全孝氏、大阪市西区)と共同開発を開始した。今後、2025年の薬事承認を目指し、共同開発を進めていく。

ジェリクルはテトラゲルを用いて新しい医療機器を生み出していくことに強みを持ち、その1つとしてテトラゲルを用いた止血材を生み出した。一方、メディコスヒラタは低侵襲医療機器を日本の医療現場に導入した企業であり、医療機器の承認取得に豊富な実績と海外ネットワークを有している。

今回、ジェリクルは止血材の早期の実用化、グローバル展開を見据えた観点からメディコスヒラタと共同開発契約を締結した。

ジェリクルの止血材は完全合成系の人工物であるため感染のリスクがなく、現状止めることができないあらゆる止血を可能にする。

共同開発は、止血材領域での実用化を目的とした開発であり、この革新的技術を活用した医療製品をいち早く世の中に届けるために、医療に関わる多くの領域で、このテトラゲル技術を使って共同開発をする企業と今後もパートナーシップを構築していく。

ジェリクルの増井社長は「メディコスヒラタはグローバルに幅広いネットワークを有しており、今回の契約が私たちの技術を世の中に出していくための大きな足がかりとなり、この止血材をいち早く患者さんに届け、世界中の患者さんを救えるようにさらに事業を加速させていきたいと考えています」とコメントしている。

また、メディコスヒラタの平田社長は「ジェリクルとの革新的な止血材の共同開発は、メディコスヒラタにとって将来の大きな可能性と発展につながる大変すばらしい機会であると思っています。この開発は、患者さまのQOLのためにメディコスヒラタが進めている、先進的で低侵襲の医療をさらに拡大し得るものであると確信し、メディコスヒラタの社是である『医療の発展に貢献するという社会的使命』のもと、日本のみならず世界の医療現場に開発製品を迅速に供給するように努めてまいります」と語っている。

テトラゲル技術について
テトラゲル技術は東京大学工学部の酒井崇匡教授が生み出した新しいゲル技術。4分岐構造を持ち、お互いに反応する異なる末端を持つ2種類のポリエチレングリコール(PEG)を混ぜ合わせる事により、均一な網目構造を持ったゲルを作成することが可能。