業界団体

医療機器の法的対応を強化【医機連】

法務顧問に堀尾弁護士が就任

堀尾法務顧問

日本医療機器産業連合会(会長=松本謙一氏、医機連)は、3月30日㈫午後1時から、医機連事務局内で「記者会見」を開き、医機連の法務顧問に前・厚生労働省医薬・生活衛生局法務指導官の堀尾貴将弁護士が就任したことを発表した。会見で堀尾法務顧問は「医機連の皆さまとディスカッションしながら、さまざまな課題の解決に向け助言できれば、と考えている」と抱負を述べた。

記者会見で松本会長は医機連ビジョン『革新的医療機器の創出に向けて』の4つの重点事項(①イノベーションの加速に向けた環境整備②医療機器の国内供給体制の整備③DX〈デジタルトランスフォーメーション〉による医療データの利活用④国際展開への対応)にふれ「医機連ビジョンの中でも、特にDXについては、進歩すればするほど現実的に、さまざまな場面で色んな法律が絡んでくると思われる。今後、医療機器は異常なスピードで革新的に飛躍していくことが予測され、法律的な観点からも対応していく必要である」と法務顧問に堀尾氏を迎え入れた背景を説明した。

これを受け、堀尾法務顧問は自身の経歴について「2017年10月から昨年9月まで、厚生労働省医薬・生活衛生局に出向し、監視指導・麻薬対策課、医薬品審査管理課、医療機器審査管理課の3課で、さまざまな業務を取り扱ってきた」と医薬・生活衛生局で初となる出向弁護士として3年間、行政業務に携わってきたことを語った。

医薬・生活衛生局で取り扱ってきた業務に関しては「出向当初はちょうど薬機法の見直しの検討を始めた頃で、医薬・生活衛生局の皆さまとディスカッションを重ねながら、改正薬機法を立案してきた。なかでも、私が提案して実現したものとしては、製造販売業者および製造業者の法令遵守ガイドラインや、虚偽誇大広告への課徴金制度、販売情報提供活動ガイドライン――などの策定がある」と具体的に携わった業務内容を解説した。

医療機器業界の印象にふれて「薬機法などのレギュレーション対応を非常に熱心に取り組んでいる業界だと思うが、行政の言っていることをそのまま受け入れ、対応していることが多い業界だとも感じている。行政が言っていることが本当に正しいかどうか、意識的に考え、規制の背景などを理解した上で、対応した方がよいのではないかと思っていた」とした。

これを踏まえ、堀尾法務顧問は「規制については合理的なものにしていく活動が重要だと思っているので、医機連ではそういう活動をアドバイザーとしてお手伝いできればと考えている。業界団体が行政当局へ何か提案をする場合には、どのような形で戦略的に行うのがいいかなど、行政の中で経験を積んだ立場として、いろいろとアドバイスできることもあると思う。いずれにしても今後、医機連の各種委員会に参加させていただき、皆さまとディスカッションをしながら、課題を洗い出しその対応に向け、アドバイスを行っていきたい」と抱負を述べた。