技術・製品

脳神経手術ロボ保険適用【日本メドトロニック】

より精度の高い手術手技をサポート

「ステルスオートガイド」

日本メドトロニック(社長=宇佐美英司氏、東京都港区)は、てんかんの定位的深部電極挿入術と脳腫瘍生検術に使用するロボティックシステム「脳神経外科手術用ナビゲーションユニット ステルスオートガイド」の製造販売承認を昨年9月に取得し、2月1日に保険適用されたと発表した。

てんかんの治療法には薬物療法と外科療法があり、薬物療法で発作が抑制されない難治性てんかんに対して、外科手術による治療が検討される。外科治療の対象になるのは部分てんかん(側頭葉てんかんなど)で、かつその部分を切除しても障害が残らない場合に外科治療(焦点切除)が可能になる。

焦点切除を行うにはてんかんの発作がどこで始まっているか正確に同定する検査が必要となる。その検査としては硬膜下電極留置が広く行われているが、開頭による患者の負担が大きいほか、脳の深部領域の測定が困難だった。

一方、脳深部に挿入した電極からてんかん波をとらえる定位的深部電極挿入術は、10~24本の電極を挿入することが必要なほか、手術時間が10時間を超えるなど、国内ではほとんど実施されていなかった。

ステルスオートガイドを用いた定位的深部電極挿入術は術前に作成した手術計画に基づき、ステルスステーションナビゲーションシステムと連動し、高い精度で電極を挿入する位置と、脳深部の測定位置の両方の位置合わせをロボット制御により自動で行うことができる。

また、ステルスオートガイドは、脳腫瘍の治療方針を決定するために、画像検査での診断をもとに、腫瘍組織そのものを生検針で採取し、脳腫瘍の種類や悪性度を詳しく診断する脳腫瘍生検術にも保険適用された。

これにより、画像検査で得られたデータをもとに、脳腫瘍の位置情報から作成した手術計画に基づいて自動で脳腫瘍生検ルートを決定するため、正確な組織片の採取ができる。