技術・製品

パワーアシストで労力低減【島津製作所】

「X線一般撮影システム」開発

X線一般撮影システム「RADspeed Pro
style edition GLIDE Class 」

島津製作所(社長=上田輝久氏、京都市中京区)は、医療現場での検査環境の改善に向け、パワーアシスト技術を駆使し、軽快でよりスムーズな操作を可能にするX線一般撮影システムを開発した。この新製品「RADspeed Pro style edition GLIDE Class(ラドスピード・プロ・スタイル・エディション・クライド・クラス)」を、中国を除く全世界で発売した

X線一般撮影では撮影対象ごとに装置の位置合わせを行うため、医師や診療放射線技師が毎回、天井レールから吊り下がった約300㌔㌘のX線管懸垂器のハンドルを持って手動で操作している。これは操作者の肩こりや腰痛のリスクがあり、負担軽減が求められている。

新製品はX線管懸垂器の操作時にかけられる力を瞬時に検知し、必要なアシスト力を計算してモーターを駆動させ、リアルタイムに操作力をアシストする。

アシストの応答性は高く、どのような場面でも軽快に思いのままにポジショニングできる。例えば、X線管懸垂器の初動時に、操作者が従来3㌔㌘以上の力を必要とした操作では、それを1㌔㌘以下に低減する。力を入れずに片手での操作を可能にした。

アシストレベルは3段階に切り替えが可能で、細かな位置決めを行う場合はレベルを下げ、大きく素早く移動させたい場合はレベルを上げるなど、スムーズな操作ができる。

さらに、撮影位置の微調整のためにX線の照射範囲を示すLEDランプを点灯させると、自動でアシストレベルを下げて、細かな位置合わせがしやすくなる機能も搭載した。