サクラ病理技術賞「第12回授賞式」【サクラファインテックジャパン】
全国3会場つなぎオンラインで開催
病理検査機器・器材のトータルサプライヤーであるサクラファインテックジャパン(社長=石塚悟氏、東京都中央区)は、サクラ病理技術賞の「第12回授賞式」を11月7日㈯に、東京・福岡・札幌の3会場を中継でつなぐオンラインイベントとして開催した。
サクラ病理技術賞は同社が2008年に創設した褒賞制度。病理学的検査や技術に関するさまざまな活動を支援するため、病理技術者やその団体、研究者を対象として、学術研究のみならず地域活動や後進育成など幅広い活動の中から、特に優れた成果を挙げた人たちを表彰している。
12回目の今回は横浜市立脳卒中・神経脊椎センター検査部の羽賀千恵氏と、福岡大学病院病理部・病理診断科の松本慎二氏が、それぞれ「サクラ病理技術賞」を受賞した。
羽賀氏は長年、剖検脳組織標本の作製に取り組み、メセナミン銀染色法の開発やガリアンス染色法の改良による普及を通じて、脳病理診断の精度向上や病理解析研究の加速に貢献したことが評価された。
松本氏はFISH法や免疫組織化学における悪性中皮腫を中心とした診断技術の確立や診断精度向上の研究を重ね、蓄積した研究成果を全国に発信し普及に努めるとともに、後進育成への取り組みが評価された。
検査技師と装置メーカーは車の両輪
第12回授賞式で、あいさつした石塚社長は「今回の授賞式は3拠点を結びオンラインでの開催となった。中止という選択肢もあったが、受賞された方々の想いを大切にしたいとの気持ちから時期をずらしてオンラインでの開催となった」と報告し、参加者に感謝の意を表明した。
受賞者2氏に祝福の言葉を述べたあと「医療が目まぐるしく進化する中、病理診断の重要性は増している。私たち装置メーカーは標本作製の自動化を進めていく立場にあるが、機械は機械自身では進歩せず、それを使う技師の方々の技術の進展があって初めて進歩する、車の両輪のような関係といえる。サクラ病理技術賞は技師の皆さまのモチベーションの一助になることを願い、今後も20年、30年と病理診断の発展を支える皆さまとともに歩んでいきたい」とサクラ病理技術賞の意義を語った。
次いで、選考委員会の松野吉宏委員長(北海道大学大学院医学研究科病理学講座分子診断病理学分野教授)が札幌会場から総評を行い、東京、福岡の各会場で受賞者に記念のオーナメントが授与された。そのあと、受賞者による記念プレゼンテーションが行われた。