中国VCの新規ファンドに参画【テルモ】
中国国内の新規技術を早期に発掘
テルモ(社長=佐藤慎次郎氏、東京都渋谷区)は、中国ベンチャーキャピタルのCDキャピタル(上海市)の新規ファンドに参画した。ファンドの投資期間は5年間。ファンドの総額、テルモの投資額は非公開。
CDキャピタルは医療関連スタートアップへの投資に特化したベンチャーキャピタル。現在、ファンドサイズ合計約6億ドルに上る複数のファンドを運営し、40以上のスタートアップ企業への投資実績がある。投資先への資金援助に加え、事業戦略や法規制対応なども支援し、製品開発と商業化を促進する。
これまでもテルモは2013年から米国のファンドに参画し、6年間で2000件を超えるスタートアップを評価してきた。その経験を生かして、ファンドへの投資に加え、テルモとしても直接、スタートアップへの出資を行っている。19年には新たに米国の2ファンドに合計5000万ドルの投資を行った。
中国でテルモは95年にテルモ医療産品杭州有限会社(浙江省杭州市)を設立し、医療用チューブなどの生産を中国国外向けに開始した。2000年代には営業拠点を設立し、心臓カテーテルや人工肺、糖尿病関連製品などの高機能製品を中心に中国国内の販路を整備してきた。
18年には心臓カテーテル関連製品専業のエッセンテクノロジー北京有限会社を買収し、迅速に現地の顧客ニーズに応えられる製品開発・生産の基盤を獲得した。
今回のファンド参画でテルモは、中国国内の新規技術に早い段階から関与できるようになることから、中国の医療ニーズに合致した医療機器やデジタルヘルスの技術を取り込み、中国国産製品の拡充や新たなビジネスモデルの構築につなげていく考えだ。