川澄化学工業を連結子会社化【住友ベークライト】
シナジーで研究開発・生産販売を拡充
住友ベークライト(社長=藤原一彦氏、東京都品川区)は実施していた川澄化学工業(社長=齊野猛司氏、東京都港区)株式の公開買い付けの結果、持ち株比率が20.04%から96.31%となり、10月7日付けで連結子会社化した。買い付け代金は約257億円。今後は川澄化学工業株式の全てを取得し、完全子会社化をめざす。
子会社化により、両社は研究・開発事業に関して、それぞれが持つ情報や知見を共有し、設計・成形・溶着・金属加工・組立・評価・シミュレーション――などの技術の融合で、医療機器の研究・開発を強化する。
研究・開発から承認取得、販売までに長期間必要となる調査・基礎実験・評価・動物実験・安全性試験・治験・薬事・外部コンサルタント――などの業務を共有化することで効率化を図っていく。
川澄化学工業では現在、国内外からアクセスの容易な川崎市殿町国際戦略拠点(キングスカイフロント)に研究開発拠点の建設工事(2021年10月稼働予定)を行っており、同社三重工場(大分県)の研究開発拠点を新拠点に移転する計画だ。
また、生産・販売事業については、業界でのメインプレーヤーとして、ブランド力アップや事業規模拡大により、プレゼンスを向上させる。両社の販売網の統一化や相互補完することで、効率的な生産体制を構築していく。
さらに、業務・人材事業では、間接部門の業務統合やグループ一体化でのシステム投資により経営効率を向上させる。営業・生産・研究・薬事分野の人材相互活用と、最適な人材配置により、ビジネスの効率化を図っていく。
具体的な研究・開発や生産・販売、業務・人材のシナジーについては、プロジェクトとして各分科会を設置し、シナジーの具現化とマスタープランを作成する。