医療機器企業の海外進出を支援へ【OMETA】
![](https://hokensangyojiho.com/wp/wp-content/uploads/2020/09/DSC05969-300x200.jpg)
通常総会で「2020年度事業計画」決定
海外医療機器技術協力会(会長=松本謙一氏、東京都渋谷区、OMETA)は、9月9日㈬午後3時から、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで「2020年度通常総会」を開催した。今回の総会は新型コロナウイルス感染防止の観点から、理事と監事のみ総会会場に出席して、会員は書面表決書を事前提出し、それぞれのリモート環境から参加する『ハイブリッド参加型総会』として行われた。
![](https://hokensangyojiho.com/wp/wp-content/uploads/2020/09/DSC05961-e1600771609945-150x150.jpg)
総会の冒頭、あいさつした松本会長は、ことわざの『二兎を追う者は一兎をも得ず』にふれ「コロナ禍の時代にあっては『二兎を追って二兎を得よう(ヘルスケア産業)』という心づもりで取り組んでいくべきだろう。二兎とは今でいえば①新型コロナ感染防止②経済再生・活性化――となる。われわれヘルスケアビジネスに携わる人間として『GO TO ヘルスケアビジネス』という気持ちで、一生懸命やっていきたい」と述べた。
研究開発と海外市場開発が重要
また、「さりとて、GO TO ヘルスケアビジネスも甘いものではない」と語り、研究開発と海外市場開発の重要性を強調し「国内の医療機関はコロナ対策に疲弊している。収入も前年比で20~30%減少し、コスト面や人材面で大変にご苦労されている。これに対して、われわれはどう対応していくか考える必要がある」とし、課題解決に向けた研究開発の重要性を説いた。
海外市場開発については「これからは、今まで以上に各国・各地域の特性を研究していかなければならないだろう。これはOMETAの研究課題でもあるので、会員の皆さま方と共に勉強していきたい。日本政府の海外助成に関しては、個社(各社)のPR以前に、先ずは日本製品のハード・ソフトのPRができるよう皆さまと結束して取り組んでいきたい」と語った。
最後に、作家・吉川英治氏が最愛の娘が嫁ぐ時に詠んだ名句『菊根分け、あとは自分の土で咲け』を引用し、「他人にばかり頼らず先ずは自助努力で、われわれの産業も進んでいきたい」と呼びかけた。
このあと、松本会長を議長に、議案の2019年度事業・決算報告や2020年度事業計画・予算、理事の退任・新任・再任――などを審議した。全ての議事を矢野専務理事が報告、説明を行い、審議の結果、全議事は原案通り、承認、可決した。
日本製医療機器の信頼性向上へ
このうち、2020年度事業計画は「情報・相談事業」として、JICA(国際協力機構)やJETRO(日本貿易振興機構)との情報交換と連携を深める。ODA保健医療分野の新規無償・有償案件について勉強会をJICAと企画するほか、納入機材の保守管理契約の重要性を提案するため、JICAと意見交換を行い、日本製医療機器の導入と信頼性の向上に努める。
また、日本ウズベキスタンシルクロード財団ヘルスケア部会と連携し、ウズベキスタン向けODA案件情報の収集、会員企業の医療機器・設備、介護機器の導入拡大に努める。
「厚生労働省輸出証明の照合業務」では、同証明書の発給申請手続きに関する勉強会の企画や、円滑な事前照合業務を推進する。また、海外の医療機器登録機関の医療機器輸入登録の情報収集に努める。
「研究・調査事業」では、ODA案件の供与医療機材を対象に、契約コンサルタントや契約商社、メーカーなどの協力を得て稼動状況の調査を行うほか、海外規制情報の調査や、医療機器規制勉強会の開催などを実施する。
「その他関連事業」では、会員企業の海外の医療機関(特にASEAN諸国)への輸入登録申請手続きについて、現地の医療機器規制当局と情報交換を行い、輸入登録申請者の手続きの簡素化の提案に努める。
一方、理事の退任・新任・再任では、理事の木村憲司氏(パラマウントベッドホールディング会長)が退任し、木村恭介氏(パラマウントベッド会長)が新理事に就任した。