2020年度事業計画・予算 決定【日医工】
「ハイブリッド参加型総会」を開催
日本医療機器工業会(理事長=松本謙一氏、日医工)は、8月26日㈬午後3時から、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで「2020年度定時社員総会」を開催した。今回の総会は新型コロナウイルス感染症の影響により「ハイブリッド参加型総会」方式を採用。理事・監事の総会出席による決議と、正会員の書面表決書および委任状提出による表決権の行使をもって総会決議とした。総会はライブ配信され、正会員は総会審議の様子を視聴した。
一丸で乗り越える時代
業界の未来担う人財育成へ
総会の冒頭、あいさつした松本理事長は「今総会は日医工の40年以上の歴史の中で、初めてのハイブリッド型の総会となる。総会終了後は特別講演会も予定されているので最後までご参加いただければ幸いです」と第一声。
新型コロナウイルス感染症の影響により、医療機関は外来患者数や手術件数が減少していることにふれ「コロナ禍では多くの医療機関が厳しい経営下にあることをひしひしと感じる。それにともない医療機器を生業とするわれわれのビジネスも、苦しくならないよう、各企業が努力することはもちろんですが、こういう時代だからこそ、われわれは手を携えて色んな問題を乗り越えていく時代だと思う」と日医工の各種事業への支援と協力を求めた。
昨年6月に業界上部団体の日本医療機器産業連合会(医機連)の会長に就任し約1年が経過したことに言及しては「医機連では今後の医療機器産業の在り方や、医療機器の研究開発の進め方などについて、官民対話で行政の方々と意見交換を行っているほか、タスクフォースを設置し未来ビジョンについて検討を重ねている。それら取り組みの中で『医療機器のみらいを担う人財育成プロジェクト』(略称=みらプロ)を立ち上げ、先日、第1回目を開催した。業界と行政の若手合わせて約50人が集い、医療機器を取り巻く課題について、1つのテーブルで官民が混然一体となり、勉強やグループディスカッションを行った。みらプロは今後2 年間にわたり、隔月ごとに開催していく」と業界の将来を担う人財育成の重要性を説いた。
このあと、司会の穴田輝彦事務局長が「総会員数133名中、出席22名、委任状提出13名、書面表決書提出62名」と総会の成立を報告。松本理事長が議長となり、議事録署名人に副理事長の石塚悟、武井和之、増田順、林正晃――の4氏を指名し、議案の審議に入った。
2019年度事業報告を武井副理事長、19年度決算報告を石塚副理事長、20年度事業計画を増田副理事長、20年度予算を林副理事長が、それぞれ報告、説明を行い、全議事とも原案通り承認、可決した。
日医工ビジョンの実現へ
4つのコミッティで事業推進
このうち、20年度事業計画では、「日医工ビジョン」の実現に向け、4つの日医工ビジョンコミッティ(①マネジメント②政策・戦略③コンプライアンス④安心・安全)をプラットホームに、その実現に向けて活動を行っていく。
具体的には、①のマネジメントコミッティでは副理事長と総務委員会、事務局が協力、連携し、日医工ビジョンの実現に向けてのサポートと事業活動全体を推進、円滑化を図っていく。
②の政策・戦略コミッティでは、6委員会(国際政策、法規関連、医療保険、医工連携、UDI、広報企画)が協力連携し、医療機器産業の幅広い振興をめざす。
③のコンプライアンスコミッティでは、会員企業トップの意識を向上させる「トップマネジメントセミナー」を実施するほか、データを活用し会員企業のコンプライアンス意識の向上をめざす。
④の安心・安全コミッティでは、8委員会(PMS、販売・保守、EMC・安全、人工呼吸器、手術用メス、麻酔機器、洗浄滅菌、ISO/TC121国内)が協力推進し、医療従事者向け適正使用セミナーと、会員企業向け最新情報セミナーを継続開催するほか、海外とも連携し、医療現場の安全・安心につながる啓発と改善をめざす。
また、9月から施行される改正薬機法に対応し、特に「添付文書の電子化」や「バーコード等の表示の義務化」の施行期日までに実施できるようセミナーや講習会を開催し、周知活動に努める。
そのほか、コロナ禍での団体活動については、ウイズコロナにおける定時総会や理事会、委員会、講習会などの在り方、開催方法など新たなスタイルに対応するガイドランを構築し実施する。
「特別講演会」をライブ配信
定時総会終了後は「特別講演会」(ライブ配信)が行われ、講師の神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科の昌子久仁子教授が「令和2年度診療報酬改定における医療機器業界へのインパクト」、西村あさひ法律事務所の三村まり子弁護士が「企業戦略としてのコンプライアンス」をテーマに講演した。新型コロナウイルス感染症の影響で、講師の2氏はホテル内の別の部屋から講演を行い、その模様はライブ配信された。会員らは総会会場か、それぞれのリモート環境で聴講した。