企業活動

米バリアン社を買収【シーメンス・ヘルシニアーズ】

がん治療市場での地位を強固に

独シーメンスの子会社で医療機器大手のシーメンス・ヘルシニアーズ(フランクフルト)は、放射線治療機器大手の米バリアンメディカルシステムズ(カリフォルニア州)を164億㌦(約1兆7300億円)で買収することで合意したと発表した。買収により、市場が拡大するがん放射線治療市場でのシェア拡大を狙う。

シーメンスはバリアン社の全株式を1株あたり177・5㌦の現金で取得する。バリアン社の取締役会は今回の合意を満場一致で承認。買収はバリアン社株主や規制当局の承認などを経て、2021年上半期に最終手続きの完了を見込む。

買収完了後、バリアン社はシーメンス・ヘルシニアーズのブランドとして、バリアンの名称で経営を継続させる。

バリアン社は70年以上にわたり、がん治療用の放射線治療装置や関連ソフトウェアなどの革新的なソリューションの開発・販売を手がけてきた。2019年度の売上は32億㌦、調整後営業利益率は約17%。世界中に約1万人の従業員を抱えている。

両社は2012年にがん治療の未来に向け戦略的なパートナーシップを結び、活動を展開してきた。今回の合意は長年にわたるパートナーシップが基盤となっており、治療計画のためのイメージングから集中放射線治療、効果的なワークフローや効果的で個別化された治療など、より良いがん治療ソリューションの開発に取り組んでいく。

両社の技術や顧客基盤を持ち寄ることで、2015年には3億ユーロ(約370億円)以上のシナジー効果をめざす。