「2020年度活動方針」策定【JIRA】
「画像医療産業ビジョン」の実現めざす
日本画像医療システム工業会(会長=新延晶雄氏、東京都文京区、JIRA)は「2020年度JIRA活動基本方針」を策定した。基本方針はJIRAが定めている「画像医療システム産業ビジョン2025」の4つのビジョンの実現をめざし、画像医療産業トレンドや政府の方針などの外部環境変化への適応を踏まえ、策定された。
医療イノベーションを具現化へ
2020年度JIRA活動基本方針は、①社会の変化に先駆けた世界をリードする医療イノベーションを実現する②革新的なデジタル技術の活用により、医療の質向上と医療機器産業拡大に貢献する③日本の優れた医療、医療システムを世界に提供し貢献する④社会・自然環境の変化に適応したシステムの提供により、安全・安心で安定した医療を実現する⑤JIRA基盤活動の充実――の5項目で構成され、各項目でのJIRAとしての活動方針が示されている。
①の医療イノベーションの実現に向けては、早期診断・低侵襲治療を支援するモダリティ機能の提供や、広範な領域での医療情報の連携、多種多様な医療情報の分析・提供、個別化医療の実現、新たな医療産業分野との連動が重要なことから、JIRAとして、▽医療保険制度や医療法、薬機法などに関する行政への提言▽他団体との連携、啓発活動▽画像医療システム産業の裾野の拡大――に積極的に取り組んでいく。
②の医療の質向上と医療機器産業拡大の貢献に向けては、AI(人工知能)や医療IoT、医療ビッグデータ、次世代通信技術などのデジタル技術が、医療の質向上に貢献し始めている現状を好機と捉え、産業拡大に向けJIRAとして、▽画像医療システムへのAI活用基盤整備▽IT産業、医療系ベンチャー企業の支援▽医療従事者の生産性向上に寄与する機能拡充への支援――を推進していく。
日本の優れた医療を世界へ
③の日本の優れた医療、医療システムを世界に提供では、世界各地域の医療機器に関する規格・制度や医療ニーズへの対応のほか、さまざま情報収集が重要であることから、JIRAとして、▽標準化(ISO、IEC、JIS、JESRAなど)活動の推進▽医療機器に関する規制の国際調和推進(IMDRF、DITTA活動などへの参画)▽海外進出支援――などの活動をしていく。
④の安全・安心で安定した医療の実現に向けては、近年、医療機器環境がサイバーアタックの巧妙化、労働人口の減少など社会環境変化や、地球温暖化などの自然環境変化への適応が求められるようになってきたことを受け、JIRAとして、▽医療環境を阻害するリスク(サイバーアタック、感染など)への対応の啓発▽装置メンテナンスに関する価値の訴求▽環境負担の低い省エネ型システムへの移行促進――を展開していく。
⑤のJIRA基盤活動の充実では、JIRAビジョンを実現するための基盤として、▽コンプライアンスに関する啓発活動の推進▽JIRA会員へ提供する価値の向上(セミナーの充実、ITインフラの整備、部会・委員会活動メンバーのプレゼンス向上、情報発信の充実)▽既存活動の継続的推進(広報活動の強化、調査・研究活動の強化、MRC認定制度の拡大、薬機法下の継続的研修の開催、展示事業の推進、ITEMのWeb開催対応)――などの充実を図っていく。