技術・製品

輝度向上し被ばく量低減【東レ】

X線シンチレータパネルの新技術開発

東レ(社長=日覺昭廣氏、東京都中央区)は、蛍光体を用いた波長変換技術を活用し、X線シンチレータパネルの輝度を従来比約30%向上する新技術を開発した。

このX線シンチレータパネルを医療用X線撮影装置のX線検出器に用いることで、従来品より明瞭な患部の観察や被ばく量の低減が可能になる。

医療用X線撮影装置のX線検出器は、一般的にX線を可視光線に変換するシンチレータパネルと可視光線をデジタル画像に変換するフォトセンサーパネルで構成される。

シンチレータパネルはX線を吸収して可視光線を放射する蛍光体の厚さ数百ミクロンの層からなり、蛍光層にはCsI(タリウム賦活ヨウ化セシウム)やGOS(テルビウム賦活酸硫化ガドリニウム)が使われている。

開発した新技術は東レがディスプレイ材料開発で長年培ってきた蛍光体による波長変換技術を活用し、GOSの輝度を大きく向上する技術の実用化に成功した。

新技術による蛍光体層は、GOSの低コスト・高安定性・高耐久性をそのままに、同程度の厚みの従来品に比べ輝度を約30%向上することを可能にした。