700㌘の新生児にも使用可能【アボットメディカル】
動脈管開存症治療用「カテーテル」
アボットメディカルジャパン(社長=ブライアン・モットーラ氏、東京都港区)は、日本で初めてとなる動脈管開存症を有する低出生体重児や新生児向けの低侵襲性の経カテーテル治療機器「AMPLATZERピッコロオクルーダー」を発売した。
動脈管開存症は胎盤から酸素の多い血液を取り込む役目を果たす動脈菅が、出生後も自然閉鎖せず開存状態を維持した疾患で、低出生体重児によく見られる主要な先天性心疾患のひとつ。
通常、動脈菅は生まれて間もなく自然に閉鎖するが、一部の場合、特に早産の場合に動脈菅が開いたままの状態が維持され、圧力の高い大動脈から圧力の低い肺動脈へ血液が流れてしまうことにより、新生児の呼吸不全などを引き起こす。治療せずに放置すれば、肺血管に永久的に損傷が残ることがある。
ピッコロオクルーダーはメッシュ状のワイヤーで構成された自己拡張型の医療機器。生後3日以上かつ体重700㌘以上の患者に使用される。
足の付け根から挿入し、カテーテルを使って血管を通して心臓まで届け、開存状態の動脈菅を閉鎖する。
低侵襲性の施術のため、新生児集中治療室の重篤な状態の低出生体重児にも使用でき、施術後まもなく人工臓器を外せることが期待できる。
日本では毎年、約7000人の低出生体重児が生まれており、そのうち2700人近くには、緊急に治療を必要とする動脈菅開存症がみられる。