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中国AI企業と共同プロジェクト【ドクターネット】

新型コロナウイルスの画像診断をAIで支援

JMDC(社長=松島陽介氏、東京都港区)の子会社で、遠隔画像診断支援サービスを提供するドクターネット(社長=長谷川雅子氏、東京都港区)は、中国の医用画像AIエンジン開発企業であるInfervision(CEO=陳寛氏、北京市)および同社アジア太平洋支社であるInfervision Japan(社長=周暁妍氏、東京都千代田区)と、新型コロナウイルス感染症に関わる画像診断の品質向上を目的に、共同プロジェクト契約を締結した。

新型コロナウイルス肺炎の確定診断にはPCR検査が必要だが、検査には時間がかかることや検査機器数にも限りがあることが課題になっている。

そのため中国の武漢市では胸部CT画像診断によるスクリーニング検査が行われ、画像診断を効率化するソフトウェアとしてInfervisionのAIエンジンが実験的に利用されている。

このAIエンジンは2019年12月以降、武漢同済病院など複数の医療機関の数千症例の新型肺炎を学習させている。

現時点では開発されてから日が浅いAIエンジンのため、中国で医療機器として承認を受けるには時間がかかるほか、日本での実用化にも検証、薬事申請が必要になる。

そこで、ドクターネットはInfervision Japanと協力して、AIエンジンの実用化に向けた検証スピードを加速させるため、AIエンジンの検証をドクターネットサービスに関連して行っていく。

具体的には医療機関からドクターネットに依頼される症例のうち、新型肺炎疑いのあるものについては、放射線診断専門医が画像診断レポートを作成した後、ドクターネット査読センターでAIエンジンのテスト検証を行う。

仮に、放射線診断専門医の診断と、AIエンジンによる結果に差異があった場合は、ドクターネット品質保証室の常勤放射線診断専門医が検証を行い、診断を行った放射線診断専門医にもフィードバックを行っていく。

ドクターネットでは中国における新型肺炎の画像診断知見を、ドクターネット契約放射線診断専門医に共有することで今後、ドクターネットで増加が想定される新型肺炎疑い画像の画像診断精度の向上に寄与していく考えだ。