技術・製品

大阪がんセンターで臨床稼働【バリアンメディカル】

「定位放射線治療特化型リニアック」

バリアンメディカルシステムズ(社長=ミッチェル・シロン氏)は、同社最新の定位放射線治療に特化した放射線治療装置(リニアック)「TrueBeam Edge」が、大阪国際がんセンター(大阪市)で、日本で初めて臨床稼働した--と発表した。

放射線治療装置「TrueBeam Edge」

Edgeは放射線治療の中でもよりピンポイントな照射である定位放射線治療に必要なサブミリメートル(ミリメートルより細かい)の精度を有し、高線量モード、高分解能な照射範囲の制御(マルチリーフコリメーター)、6軸治療台などの精度の高い技術で定位放射線治療・定位手術的照射を支援する。

がん患者の8~10%に発生すると報告されている転移性脳腫瘍に対して、質の高い定位手術的照射を効率的に提供する「HyperArc」技術を標準搭載している。

多発性転移性脳腫瘍の定位手術的照射には治療台を横方向に動かして照射する角度を変えるノンコプラナー照射が必要とされるが、HyperArc技術は治療計画のワークフロー化により、複雑なノンコプラナー照射を短時間で効率的に計画できるように設計されている。

また、治療計画ソフトウェアに専用のツールを搭載することで、多発性転移性脳腫瘍の定位手術的照射で課題となっている標的腫瘍間の線量や正常組織への線量の低減を実現した。

さらに、ガントリ(ビーム照射口)と治療台の軌道を確認するリハーサル機能(バーチャル・ドライラン機能)を備えたことにより安全性に配慮した設計となっている。