技術・製品

脳卒中治療にフォーカス【シーメンス】

血管撮影装置「アーティスアイコノディースピン」

シーメンスヘルスケア(社長=森秀顕氏、東京都品川区)は、治療までの時間が予後に大きな影響を与える脳卒中の治療に迅速に対応するため、高度な脳血管内治療を行う施設を対象に、脳血管内治療にフォーカスした画像診断装置「アーティスアイコノディースピン」を発売した。

画像診断装置「アーティスアイコノディースピン」

脳卒中治療ガイドラインでは、血管内に詰まった血栓をカテーテルやステントなどを用いて除去する血栓回収療法の適応が、従来の発症後6~8時間以内から最終健常確認後24時間以内まで広がったことにより、起床時に発症に気づいた患者にも血栓回収療法が可能になり、対象患者が大幅に増えると見込まれている。

同装置は回転撮影中に頭尾方向の傾斜を加えた独自の二重軌道回転機構により、多方向のスキャンデータによる3D画像再構成が可能となる。骨構造近くの出血などの描出能も向上し、一層の高画質CTライクイメージングを提供する。

従来、脳実質の血液量分布評価のみだった3D機能画像に、時間軸情報が追加され、血流評価が可能になった。急性虚血性脳卒中の側副血行動態確認を血管撮影室でも行え、脳梗塞か脳出血かを瞬時に判断できる。

これまで3D撮影時に退避させていた側面アームを移動することなく、2D撮影と同じセッティングで行うことができる。また、従来20秒かかっていた高精細モードの撮影を8秒まで短縮した。

新機構OPTIQを搭載したことで、求める画質を設定するだけで各設定パラメータを自動的にコントロールし、体厚が薄い人には不必要なX線を抑制し、体厚が厚い人にはX線量を上げることで、安定した高画質を適正線量で提供する。