技術・製品

細胞製剤の充填・仕上げシステム発売【テルモ】

全自動化技術で新たな治療の普及へ

細胞製剤の充填・仕上げシステム「FINIA」

テルモ(社長=佐藤慎次郎氏、東京都渋谷区)は、細胞治療に用いる細胞製剤の製剤化の最終工程で、充填・仕上げ作業を補助する装置「FINIA(フィニア)」を発売した。米・英など9か国では既に上市しているが、今回、日本や韓国、欧州での販売を始める。

細胞治療は患者自身や他人から採取した細胞を加工・培養し、細胞の働きを利用して難治性疾患を治療する治療法。治療法によっては加工した細胞と薬剤を混合し、その細胞製剤をバッグに小分けして複数回にわたり患者に投与する。

FINIAは細胞と薬剤の混合工程から、完成した製剤を必要分量に小分けしてバッグに充填するまでの全工程を自動で行う装置。閉鎖系のシステムで、厳密な低温管理が可能となる。作業の効率化と品質管理の向上に貢献する。

テルモの血液事業子会社であるテルモBCTのアントワネット・ギャヴィン社長は「細胞治療のさらなる発展に向け、FINIAの新しい技術で工程の簡略化を図り、研究開発者を支え、治療法の正確性、安定性、信頼性、量産性を高めていきたい」と述べている。