技術・製品

スプレー式癒着防止材【テルモ】

幅広い手術に対応の小容量品を発売

癒着防止剤「アドスプレー」

テルモ(社長=佐藤慎次郎氏、東京都渋谷区)は、スプレー式癒着防止材「アドスプレー」の小容量品を発売した。

アドスプレーは日本初のスプレー式癒着防止材として、2017年に発売された。適用部位に噴霧すると、溶液がゲル化し、臓器の表面に物理的なバリアを形成する。

スプレー式なので、開腹手術や腹腔鏡手術など手術方法を問わずに処置部位へ簡便に到達でき、目的の部位を適切に覆うことができる。

今回、小容量品を追加したことにより、さまざまな症例に対応できる品ぞろえを拡充。症例によっては癒着防止材を使用する場所や範囲が異なるため、必要な噴霧容量が比較的少ない症例などでの使用が期待できる。

価格は新製品の小容量品(粉末溶液量5・4㍉㍑)が3万9204円で、従来のレギュラー容量品(同9・4㍉㍑)が6万8244円。テルモでは日本で唯一のスプレー式という特徴を生かし、将来的に市場シェア30
%をめざす。

身体は傷を受けると損傷部位を治癒する動きを備えている。手術によっては生体組織が損傷した場合も修復が進んでいくが、その過程で本来離れている臓器同士がくっつく『術後癒着』が起こることがある。癒着部位によっては骨盤痛や腸閉塞、不妊症などを引き起こすこともあり、臨床現場では術後癒着の防止が大きな課題となっている。