「JASIS2019」開催【JAIMA、J S I A】
期間中に2万3409人が来場
日本分析機器工業会(会長=中本晃氏、JAIMA)と日本科学機器協会(会長=矢澤英人氏、JSIA)は共催し、9月4日㈬~6日㈮の3日間を会期に、千葉県の幕張メッセ国際展示場で、最先端科学・分析システム&ソリューション展「JASIS2019」を開催した。3日間で2万3409人の来場者が訪れ、連日にわたりにぎわいをみせた。
さらなる分析技術の進化に貢献
JASIS2019の開会式は4日午前9時40分から、展示会場入口前で行われ、あいさつした中本会長は「JASISは『未来発見』をキャッチフレーズに、約500社の会社や研究機関などが科学機器、分析機器および関連製品を出展する大規模な展示のほか、国内外学会や団体が主催するカンファレンス、出展企業による新技術説明会、講演会、セミナーなど計500のセッションを用意している」とさまざまな最新情報を発信していくと紹介した。
JASIS開催の意義にふれては「分析機器は科学技術や産業、医療などの発展に大きく貢献してきた。高度な分析計測技術を実現する手段として、新製品が開発され、それによって人々の生活がより安全で健康的になった。その次にはさらに高度な分析技術への進化が求められている。そのサイクルを継続していくためにJASISにおいて分析機器によるソリューションを数多く提供し、社会課題の解決に一層貢献できるよう努力してまいります」と述べ、実り多い展示会になるよう、主催者一堂で全力を尽くすことを誓った。
SDGsでは科学機器が重要に
次いで、矢澤会長は「本展示会は2010年にJAIMAとJSIAの共催による合同展示会として開始。2012年には統一名称『JASIS』となり、今回は合同展示会から数えて10回目となる。JASISは最新の理化学機器、分析機器をはじめとする科学機器に関する技術、製品情報などの発信拠点となる展示会だが、近年は機器だけでなく、関連ソフトウェアを含むシステムやソリューションの重要性が高まっている。今年もJASISは5ホールによる大規模な展示と、多様なセミナー・カンファレンスを展開するのでご期待ください」と語った。
持続可能な開発目標(SDGs)に言及しては「日本ではSDGsに連動するソサエティ5・0を推進しており、その1つに科学技術イノベーション分野での人材育成を強化している。初等中等教育から高等教育までの各種実験実習では科学機器の活用が欠かせない。また、SDGsでは全ての領域で科学機器の果たす役割は大きく、今後ますます科学機器の重要性が増してくると思われる。JASISを通じて日本の科学技術の発展に貢献するとともに、SDGsに向けた産学官のマッチングの一助となることを願っている」と述べ、JASIS2019の成功を祈念した。
引き続き、来賓を代表して、経済産業省の上田洋二大臣官房審議官が祝辞を述べたあと、中本会長と矢澤会長、上田大臣官房審議官、文部科学省科学技術・学術政策局の角田喜彦科学技術・学術総括官、在日米国大使館商務部のモフムード・チカアリ上席商務官、日本分析化学会の内山一実会長--の6人が、テープカットを行い、JASIS2019は開幕した。
会場には次々に多くの来場者が訪れ、それぞれが取り組む仕事や研究、開発などの業務を改善し、効率化、合理化、コスト削減--ができる分析・科学機器、ソリューションを求め、各ブースを見て回り、出展各社の担当者から説明を受けながら、実際に製品にふれ、その使用感を確かめていた。
特別企画のライフサイエンスイノベーションゾーンでは、ライフサイエンス市場での事業化促進の好機を得られる場として、基調講演や企業展示、企業プレゼンテーション、ライフサイエンスイノベーションフォーラムが行われた。出展規模は過去最多となる前回に迫る63社(86小間)が出展。同ゾーンにはバイオ領域やヘルスケア領域に活用できる先端分析計測システムなどを求め、期間中、多くの関係者が訪れ、活気を帯びた。