企業活動

病理診断の進歩、発展へ【サクラファインテックジャパン】

「第11回サクラ病理技術賞授賞式」開催

オーナメントと副賞を手にする受賞者ら

病理検査機器・器材のトータルサプライヤーであるサクラファインテックジャパン(社長兼CEO=石塚悟氏、東京都中央区)は、8月3日㈯午後2時から、東京・一ツ橋の如水会館で「第11回サクラ病理技術賞授賞式」を開催した。

サクラ病理技術賞は同社が2008年に創設した褒賞制度。病理学的検査・技術に関するさまざまな活動を支援するため、病理技術者やその団体、研究者を対象に、学術研究のみならず地域活動や後進育成など幅広い活動の中から、特に優れた成果を挙げた方々を表彰している。

11回目の今回は、「奨励賞」に梅澤敬氏(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター病院病理部)と関絵里香氏(東京都医学総合研究所神経病理解析室)、「新人賞」に吉田美帆氏(呉医療センター・中国がんセンター病理診断科)、「松本賞」に小松京子氏(がん研究会がん研有明病院臨床病理センター)--がそれぞれ受賞した。

サクラ病理技術賞授賞式」会場の様子

授賞式の開会にあたり、あいさつした石塚社長は11年目を迎えたサクラ病理技術賞について「今回は『自らの力で〝病理技術の明日の風〟を吹かせよう』をキーワードに公募した結果、多くの応募をいただいた。若手技師の応募も増え、まさにサクラ病理技術賞が病理技術分野に携わる方々のモチベーションの一助になっていることを実感しています。第9回から導入した自薦による公募制度も幅広く浸透してきていると思います。そして今日、これまでに受賞された30名、3団体に、新たに4名が加わることになりました」と語った。

サクラ病理技術賞の意義にふれては「ゲノム診療やビックデータ、AIと、医療が進化する中、病理診断の重要性は増しており、病理標本作製技術もより高度な要件が求められています。基本的な技術の伝承や新しい技術への取り組み、そして標準化など、やらなくてはならないことが目白押しとなっています。そのような重要な仕事を担う病理検査技師の方々には、より一層のご活躍、飛躍が求められています。1人ひとりの努力と若手の育成が重要な課題で、サクラ病理技術賞はそれらの課題に取り組むうえでのモチベーションの一助となることを祈念しております」と述べた。

さらに、「機械は自分では進化しない。皆さま方の技術変革があって初めて機械は進化します。皆さま方の飛躍がとても重要と考えています。今後、20年、30年とサクラ病理技術賞が病理技術の発展を支える皆さまとともに歩んでいけたら幸いです」と病理技術の発展に期待を込めた。

次いで、来賓を代表して、日本臨床衛生検査技師会の宮島喜文会長と、日本病理学会の北川昌伸理事長が祝辞を述べたあと、選考委員長の松野吉宏氏(北海道大学大学院医学研究科病理学講座分子診断病理学分野教授)が受賞者の発表と選考総評を行い、各受賞者に松野選考委員長から記念のオーナメント、石塚社長から副賞が授与された。

このあと、受賞者による記念プレゼンテーションのほか、大阪大学大学院医学系研究科病理学の仲野徹教授による特別講演(がんって何?―これまでのこと、これからのこと―)が行われた。